2025.7.15

インプラント

インプラントオーバーデンチャーと総入れ歯のメリット・デメリット

総入れ歯の痛みや不便さに悩んでいませんか?食事を楽しめない、人前で話すのが恥ずかしい、そんな悩みを抱える方は少なくありません。しかし、今は総入れ歯以外にも選択肢があります。インプラント治療の進歩により、インプラントオーバーデンチャーという革新的な治療法が登場し、多くの方のQOL向上に貢献しています。本記事では、総入れ歯、従来のインプラント、そして第3の選択肢であるインプラントオーバーデンチャーについて、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

総入れ歯のままでいい?インプラントという選択肢に悩むあなたへ

歯を失った際の治療選択は、今後の人生の質に大きく影響する重要な決断です。多くの方が総入れ歯を選択されますが、日常生活での不便さや違和感を感じている方も多いのではないでしょうか。

現在、歯科医療技術の進歩により、患者さんのライフスタイルや予算に応じた様々な治療選択肢が提供されています。総入れ歯、従来のインプラント治療、そしてインプラントオーバーデンチャーという新しい選択肢があることを知って、最適な治療方法を選択していただければと思います。

たとえば、60代の方で総入れ歯を使用されている場合、「このまま我慢するしかない」と諦める必要はありません。個人の価値観や生活の質を重視し、歯科医師と相談しながら最適な選択をすることが大切です。

一目でわかる!インプラントと総入れ歯の違いを徹底比較

項目総入れ歯インプラントオーバーデンチャー従来のインプラント
費用1万円~3万円60万円~180万円300万円~500万円
治療期間1~3ヶ月3~6ヶ月6~12ヶ月
手術不要必要(1回)必要(複数回)
噛む力天然歯の20~30%天然歯の50~70%天然歯の80~90%
見た目やや不自然自然非常に自然
メンテナンス毎日の洗浄取り外し清掃+定期検診定期検診必須

この比較表からもわかるように、それぞれの治療法には明確な特徴があります。費用面では総入れ歯が最も安価ですが、機能性や快適性を重視する場合はインプラント系の治療を検討する価値があります。

なぜ不満が?「総入れ歯」のメリットと多くの人が抱えるデメリット

総入れ歯治療について、保険適用により費用を抑えられる反面、多くの患者さんが日常生活での不便さを感じているのが現実です。ここでは、総入れ歯のメリットとデメリットを詳しく解説します。

総入れ歯のメリット:費用を抑えられ、外科手術が不要

総入れ歯の最大のメリットは、保険適用により費用を大幅に抑えられることです。上下の総入れ歯を作成しても、保険診療であれば数万円程度で治療が完了します。

また、外科手術が不要なため、高齢の方や持病をお持ちの方でも安心して治療を受けることができます。具体的には、型取りから完成まで通常1~3ヶ月程度で治療が完了し、体への負担が最小限に抑えられます。

さらに、不具合が生じた場合の修理や調整が比較的簡単で、多くの歯科医院で対応可能な点も大きなメリットといえるでしょう。

総入れ歯のデメリット:「痛い・ずれる・噛めない」QOL低下の要因

一方で、総入れ歯には多くのデメリットがあります。最も多い不満は**「痛い・ずれる・噛めない」という3つの問題**です。

噛む力が天然歯の20~30%程度まで低下するため、硬い食べ物や繊維質の食材を避けなければならず、食事の楽しみが制限されます。たとえば、リンゴをそのまま齧ったり、お肉を思い切り噛んだりすることが困難になります。

また、入れ歯の安定性に問題があり、話している最中にずれたり、食事中に外れそうになったりすることで、人前での食事や会話に不安を感じる方も多くいらっしゃいます。

究極の選択?全ての歯をインプラントにするメリット・デメリット

全ての歯をインプラントで置き換えるフルマウスインプラントは、機能性と審美性の両面で最高レベルの治療結果を期待できる反面、費用と体への負担が大きな治療法です。

フルマウスインプラントのメリット:自分の歯を取り戻したような感覚

フルマウスインプラントの最大のメリットは、天然歯とほぼ同等の噛む力と感覚を取り戻せることです。噛む力は天然歯の80~90%まで回復し、硬い食べ物でも安心して食べることができます。

見た目の自然さも抜群で、他人に気づかれることなく、自信を持って笑顔を見せることができます。また、各歯が独立しているため、清掃性も良好で、適切なケアにより長期間使用することが可能です。

具体的には、ステーキやナッツ類など、総入れ歯では困難な食材も問題なく噛むことができ、食事の制限がほとんどありません。

フルマウスインプラントのデメリット:高額な費用と体への負担

一方で、費用が非常に高額になることが最大のデメリットです。上下全ての歯をインプラントにする場合、300万円から500万円程度の費用がかかります。

また、複数回の外科手術が必要で、全体の治療期間も6ヶ月から12ヶ月と長期間を要します。手術回数が多いため、体への負担も大きく、年齢や健康状態によっては適応できない場合もあります。

さらに、一本でもインプラントにトラブルが生じた場合、修理や再治療が複雑になる可能性があることも考慮すべき点です。

【第3の選択肢】インプラントオーバーデンチャーとは?総入れ歯とインプラントの”いいとこ取り”治療

インプラントオーバーデンチャーは、2~4本のインプラントで入れ歯を安定させる革新的な治療法です。従来のインプラント治療と総入れ歯の中間的な位置づけで、多くの患者さんに選ばれています。

なぜ少数のインプラントで入れ歯を支えられるのか?その仕組みを解説

インプラントオーバーデンチャーの特徴は、インプラントが入れ歯の固定点となることです。通常、下顎では2本、上顎では4本のインプラントを埋入し、磁石やボールアタッチメントなどの特殊な装置により入れ歯を固定します。

この仕組みにより、従来の総入れ歯の不安定さを解消し、しっかりと固定された状態で食事や会話を楽しむことができます。たとえば、硬いものを噛んでも入れ歯がずれにくく、安心して食事を取ることが可能になります。

また、取り外しが可能なため、清掃が簡単で、メンテナンスの面でも優れています。

インプラントオーバーデンチャーのメリット:費用を抑え、清掃性も良好

インプラントオーバーデンチャーの大きなメリットは、従来のインプラント治療より大幅に費用を抑えられることです。全顎でも60万円~180万円程度で治療を完了できます。

取り外し可能なため、入れ歯と同様に清掃でき、口腔衛生管理が容易です。具体的には、夜間は入れ歯を外して洗浄でき、インプラント部分も清掃しやすい構造になっています。

また、手術が比較的簡単で、従来のインプラント治療と比較して体への負担も軽減され、治療期間も3~6ヶ月程度と短期間で治療が完了します。

インプラントオーバーデンチャーのデメリットと注意点:完全固定式ではない

インプラントオーバーデンチャーにもいくつかのデメリットがあります。取り外し式のため、固定式のインプラントと比較すると安定性がやや劣る場合があります。

噛む力は天然歯の50~70%程度で、従来のインプラント治療(80~90%)と比較すると劣ります。そのため、非常に硬い食べ物では制限が生じる可能性があります。

また、アタッチメント部分の摩耗により、定期的な交換やメンテナンスが必要になる場合があります。具体的には、磁石やボールアタッチメントは消耗品のため、数年ごとの交換が必要になることがあります。

【費用を完全比較】総入れ歯・インプラントオーバーデンチャー・総インプラントの料金相場

治療選択において費用は重要な判断材料の一つです。それぞれの治療法の費用相場と、費用を抑える方法について詳しく解説します。

総入れ歯にかかる費用(保険と自費の違い)

保険適用の総入れ歯は、上下合わせて1万円から3万円程度で治療が可能です。ただし、使用できる材料や技術に制限があります。

自費診療の総入れ歯では、10万円から50万円程度と幅があります。たとえば、金属床の入れ歯は軽量で熱伝導性が良く、食べ物の温度を感じやすいというメリットがあります。また、シリコン裏装を施すことで、装着感を大幅に改善できます。

インプラントオーバーデンチャーの費用は60万円台から?内訳と適正価格を解説

インプラントオーバーデンチャーの費用相場は、60万円~180万円程度です。内訳としては、インプラント体(2~4本)、手術費用、アタッチメント、入れ歯の製作費用が含まれます。

適正価格を判断するポイントとして、使用するインプラントメーカー、アタッチメントの種類、歯科医師の経験、設備の充実度などを考慮する必要があります。極端に安価な場合は、品質や保証内容を慎重に確認することが大切です。

全ての歯をインプラントにした場合の総額は?

フルマウスインプラントの場合、片顎あたり150万円から250万円、両顎で300万円から500万円程度が相場です。この金額には、インプラント体(通常8~12本)、手術費用、上部構造の製作費用が含まれます。

治療費を抑える医療費控除やデンタルローンの活用法

医療費控除を活用することで、実質的な負担を軽減できます。年間10万円を超える医療費は控除対象となり、所得税率に応じて還付を受けることができます。

また、多くの歯科医院ではデンタルローンを取り扱っており、月々の支払いを抑えることが可能です。金利は通常3~8%程度で、最大120回程度の分割払いが可能な場合もあります。

インプラントオーバーデンチャーの治療プロセス|カウンセリングから美しい歯が入るまで

インプラントオーバーデンチャーの治療は、綿密な計画と段階的なプロセスを経て完了します。各ステップでの詳細な流れと、患者さんが知っておくべきポイントをご紹介します。

ステップ1:初診相談とCTなどによる精密検査

治療は詳細なカウンセリングから始まります。患者さんの希望や悩みを丁寧にお聞きし、治療の可能性を検討します。

CT撮影による精密検査では、骨の密度、神経の位置、血管の走行などを3次元的に把握します。この情報をもとに、最適なインプラント埋入位置とアタッチメントの種類を決定します。

ステップ2:手術当日(インプラント埋入・治癒期間)

手術当日は、インプラント埋入を行います。手術時間は通常1~2時間程度で、局所麻酔により痛みを軽減します。

インプラントと骨が結合する治癒期間は通常2~4ヶ月程度必要です。この期間中は、既存の入れ歯を調整して使用していただくことが可能です。

ステップ3:最終的な入れ歯の装着

インプラントと骨が結合後、アタッチメントの装着と最終的な入れ歯を製作します。高品質な人工歯を使用することで、審美性に優れた仕上がりを実現します。

最終的な入れ歯は、個人の顔貌や希望に合わせてカスタマイズされ、自然で美しい仕上がりを実現します。

治療完了までの期間はどのくらい?

全体の治療期間は3~6ヶ月程度が一般的です。骨質や治癒能力により個人差がありますが、従来のインプラント治療と比較して短期間で治療が完了します。

まとめ:最適な治療選択で人生の質を向上させましょう

歯を失った際の治療選択は、その後の人生の質に大きく影響します。総入れ歯の不便さに悩んでいる方、インプラント治療の費用や期間に不安を感じている方にとって、インプラントオーバーデンチャーは理想的な選択肢となる可能性があります。

費用と機能性のバランスを考慮し、取り外し可能で清掃が簡単というメリットは、多くの患者さんのQOL向上に貢献しています。

ご自身の年齢、健康状態、予算、ライフスタイルを総合的に考慮し、歯科医師との十分な相談を通じて最適な治療法を選択することが大切です。どの治療法を選ぶにしても、長期的な視点で検討し、納得のいく選択をしていただければと思います。

広島でインプラントをご検討中の患者様へ
~技術と実績で選ぶ、納得の治療を~

インプラント治療は手術をして終わりではありません。「噛み合わせ」の専門的な設計が、その後の寿命や快適さを大きく左右します。
川越歯科医院では、海外大学でインプラント指導経験を持つ歯科医師が、補綴(ほてつ)専門家の視点から、長期的な健康を見据えた治療計画をご提案します。
治療への不安や疑問をお持ちの方は、ぜひ当院の治療方針をご覧ください。

この記事の監修医師プロフィール

川越 亮利 先生

医療法人Saraswati 川越歯科医院 理事長 / 歯科医師 川越 亮利 (Akitoshi Kawagoe)

専門分野:インプラント治療 / 補綴治療(入れ歯・義歯) / 予防歯科

広島大学第2補綴科での臨床研修を経て、海外大学(Indonesia Mahasaraswati University)にてインプラント科の客員講師を務めた経歴を持つ歯科医師。
国内の学会活動に加え、海外での歯科ボランティアや技術指導にも精力的に参加。現地の限られた環境下での治療経験や、学生への指導経験を活かし、難症例にも対応可能な「長持ちするインプラント治療」を探求し続けている。
現在は広島市中区江波にて、地域医療と世界レベルの技術の融合を目指して診療を行う。

【主な所属・資格】
  • Mahasaraswati University 補綴科・インプラント科 元客員講師
  • KISS(Kansai Implant Study Society)所属
  • 広島大学第2補綴科 臨床研修医 修了
  • 月星先生CEセミナー アドバンスコース修了

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