2025.6.30
インプラント
歯を失った方やインプラント治療を検討中の方にとって、「インプラントで歯並びは改善するのか」という疑問は非常に重要です。インプラントと歯並び矯正は根本的に異なる治療方法ですが、組み合わせることで理想的な口元を実現できる可能性があります。この記事では、インプラント治療と歯並び矯正の関係性、治療の順番、費用、歯科医院選びのポイントまで詳しく解説します。

インプラントと歯並び矯正、どちらも気になるあなたへ
歯を失った際の治療選択肢や歯並びの改善方法について悩んでいる方に向けて、インプラント治療と歯並び矯正の基本的な違いから実際の治療アプローチまでを分かりやすく説明します。
まず理解しよう!インプラント治療と歯並び矯正の基本
インプラント治療と歯並び矯正は、それぞれ異なる目的と方法で行われる歯科治療です。正しい治療選択のためには、まず両者の基本的な違いを理解することが重要です。
インプラント治療とは?失った歯を補う仕組みとメリット・デメリット
インプラント治療は、失った歯の代わりに人工の歯根を顎の骨に埋め込む治療法です。チタン製のインプラント体が骨と結合し、その上に人工の歯を装着します。
具体的には、抜歯後の空いたスペースに円柱状のインプラントを埋入し、3〜6ヶ月の治癒期間を経て上部構造(クラウン)を装着します。天然歯に近い噛み心地と見た目を実現できる一方で、外科手術が必要で治療期間が長く、費用も高額になるというデメリットがあります。
歯並び矯正(歯科矯正)とは?種類と期待できる効果
歯並び矯正は、歯の位置を理想的な配列に移動させる治療法です。ワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正など複数の方法があります。
たとえば、出っ歯や受け口、歯の重なりなどの不正咬合を改善し、見た目の美しさと機能性の両方を向上させます。治療期間は1〜3年程度で、歯を動かすため多少の痛みを伴い、定期的な通院が必要です。
本題:インプラント治療で歯並びは変わるの?
インプラント治療そのものは歯並びを直接改善する治療法ではありませんが、結果的に歯並びが改善したように見えるケースがあります。ただし、注意すべき点も存在します。
インプラント自体が歯を動かすわけではない
インプラントは既存の歯を動かす治療ではありません。インプラントは顎の骨に固定されるため、一度埋入すると移動できません。
具体的には、矯正治療のように歯に力を加えて徐々に位置を変える仕組みとは根本的に異なります。インプラントの目的は、失った歯の機能と見た目を回復することであり、他の歯の配列を変える効果は期待できません。
インプラントによって「歯並びが改善したように見える」ケース
ただし、戦略的な位置にインプラントを配置することで、全体的な歯並びが改善したように見える場合があります。
たとえば、前歯の欠損部にインプラントを入れる際、理想的な位置・角度・形状で人工歯を製作することで、既存の歯との調和が取れ、結果的に美しいスマイルラインを実現できます。また、奥歯の欠損を補うことで噛み合わせが安定し、他の歯の負担が軽減されることもあります。
注意!歯並びが悪いままインプラントを入れるリスクとは?
歯並びが悪い状態でインプラント治療を行うと、様々な問題が生じる可能性があります。
具体的には、不正な噛み合わせによりインプラントに過度な力がかかり、破損や脱落のリスクが高まります。また、清掃性が悪化してインプラント周囲炎を引き起こしやすくなったり、審美性が損なわれたりする場合があります。そのため、歯並びに問題がある場合は、インプラント治療前に矯正治療を検討することが重要です。
インプラントと歯並び矯正、治療の順番はどうなる?「インプラントの前」にすべきこと
インプラント治療と歯並び矯正を両方行う場合、一般的には歯並び矯正を先に行うことが推奨されます。適切な治療順序により、より良い結果を得ることができます。
一般的な治療の流れ:多くは歯並び矯正が先
歯科治療の基本原則として、歯並び矯正を先に行うケースが大部分を占めます。これは、インプラントが一度埋入すると移動できないためです。
具体的には、まず矯正治療で既存の歯を理想的な位置に移動させ、その後にインプラントを最適な位置に配置します。この順序により、全体的な噛み合わせと審美性を両立できます。治療期間は矯正に1〜3年、その後インプラント治療に3〜6ヶ月程度が目安となります。
なぜ歯並び矯正を先に行うの?インプラント治療への好影響
矯正治療を先に行うことで、インプラント治療の成功率と長期安定性が向上します。
たとえば、正しい噛み合わせを確立してからインプラントを配置することで、過度な咬合力を避けることができます。また、適切な歯間距離を確保することで、インプラント周囲の清掃性が向上し、感染リスクが低減されます。さらに、審美的にも理想的な歯並びの中にインプラントが調和することで、自然で美しい仕上がりが期待できます。
例外はある?インプラント治療を先に行うケースや同時進行について
特殊な状況では、インプラント治療を先に行う場合もあります。
具体的には、前歯部の外傷による即時的な審美回復が必要な場合や、矯正治療中の固定源としてインプラントを利用する場合などです。また、部分的な矯正治療であれば、インプラント埋入後に周囲の歯のみを動かすことも可能です。ただし、これらのケースでは高度な治療計画と専門的な技術が必要となります。
特殊なアプローチ:インプラントを固定源として利用する矯正治療
インプラントアンカーという特殊な矯正治療では、小さなインプラントを固定源として使用します。
たとえば、従来の矯正治療では難しかった大きな歯の移動や、奥歯の圧下(押し込み)などが可能になります。この方法により、より効率的で予測可能な矯正治療を実現できますが、外科的な処置が必要で、治療費も高額になる傾向があります。
インプラントと歯並び矯正を併用するメリット・デメリット
両治療を組み合わせることで、機能性と審美性を高いレベルで両立できますが、同時に注意すべき点も存在します。
併用治療で実現する理想の口元:審美性と機能性の両立
併用治療により、単独治療では得られない理想的な結果を実現できます。
具体的には、歯並び矯正により全体的な歯列を整え、欠損部にはインプラントで機能的な歯を補うことで、天然歯に近い噛み心地と美しいスマイルラインを同時に獲得できます。また、正しい噛み合わせの確立により、顎関節症の予防や改善効果も期待できます。
知っておきたい併用治療の注意点:期間・費用・歯科医院選び
併用治療にはいくつかの注意点があります。
たとえば、治療期間が長期化し(2〜4年程度)、総費用も高額になる傾向があります。また、矯正専門医とインプラント専門医の連携が重要で、治療計画の綿密な調整が必要です。さらに、治療中のメンテナンスがより複雑になるため、患者さんの協力と理解が不可欠となります。
治療にかかる費用と期間の目安
インプラント治療と歯並び矯正の費用は、治療内容や地域により大きく異なります。事前に詳しい見積もりを取得することが重要です。
インプラントと歯並び矯正、それぞれの費用相場
インプラント治療は1本あたり30〜50万円、歯並び矯正は全体矯正で80〜150万円程度が一般的な相場です。
具体的には、インプラント治療の費用には診断料、手術料、上部構造代が含まれます。矯正治療では、装置の種類によって費用が変動し、マウスピース矯正はワイヤー矯正より高額になる傾向があります。また、部分矯正の場合は30〜70万円程度と、全体矯正より安価です。
併用する場合の総額と治療期間はどれくらい?
併用治療の総額は150〜300万円程度、治療期間は2〜4年が目安となります。
たとえば、前歯2本のインプラントと全体的な歯並び矯正を行う場合、矯正費用100万円とインプラント費用80万円で合計180万円程度となります。治療期間は矯正に2年、その後インプラント治療に6ヶ月が典型的なスケジュールです。
治療費の負担を軽減する制度(医療費控除など)
医療費控除により、治療費の一部を所得税から控除できます。
具体的には、年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告により所得税の還付を受けられます。また、デンタルローンや分割払いを利用することで、月々の負担を軽減できます。一部の歯科医院では、治療費の分割払いプランも提供しています。
後悔しないために!歯科医院選びのポイント
成功する治療のためには、適切な歯科医院選びが最も重要です。専門性と設備、医師の連携体制を確認しましょう。
インプラント専門医と矯正専門医の連携が鍵
インプラント治療は、専門的な知識と高い技術力が求められる治療です。そのため、これまで多くのインプラント治療を手がけてきた経験豊富な歯科医院を選ぶことが大切です。
当院では、患者さん一人ひとりの骨の状態や噛み合わせを丁寧に確認し、事前の検査・診断をしっかり行ったうえで治療計画を立てています。わからないことや不安なことがあれば、どんな小さなことでもご相談ください。また、歯科矯正専門医との連携も整っており、治療後のメンテナンスまで一貫してサポートする体制を整えておりますので、安心して治療を受けていただけます。
カウンセリングで確認すべき重要な質問リスト
初回カウンセリングでは以下の点を確認しましょう。
- 治療計画の詳細な説明があるか
- 費用の内訳と支払い方法について
- 治療期間と通院頻度の見通し
- 合併症やリスクについての説明
- アフターケアと保証制度の内容
- 他の患者さんの症例写真の提示
たとえば、「治療後のメンテナンス頻度は?」「万一のトラブル時の対応は?」といった質問をすることで、医院の姿勢を判断できます。
精密な診断に必要な設備が整っているか
CT撮影装置や口腔内スキャナーなどの最新設備が整っているかを確認しましょう。
具体的には、3D-CTにより顎の骨の状態を詳細に把握でき、より安全で正確なインプラント治療が可能になります。また、口腔内スキャナーによるデジタル印象により、精密な矯正装置の製作や治療計画の立案ができます。
インプラントと歯並びに関するよくある質問(Q&A)
患者さんから寄せられる代表的な疑問にお答えします。
Q. すでにインプラントが入っていますが、歯並び矯正はできますか?
インプラントが入っていても、制限はありますが矯正治療は可能です。
インプラント自体は動かすことができませんが、他の天然歯を動かすことで全体的な歯並びを改善できます。ただし、インプラントの位置によっては治療の選択肢が限られる場合があります。具体的には、前歯部のインプラントがある場合、周囲の歯の移動範囲に制約が生じることがあります。
Q. 歯並びが悪いのですが、インプラント治療は可能ですか?
歯並びが悪くてもインプラント治療は可能ですが、事前に十分な検討が必要です。
不正咬合がある場合、インプラントに過度な力がかかりやすく、長期的な安定性に影響する可能性があります。そのため、多くの場合は先に矯正治療を行い、理想的な歯並びを確立してからインプラント治療を進めることが推奨されます。
Q. インプラント治療後、歯並びが変わる(悪くなる)ことはありますか?
適切に行われたインプラント治療では、歯並びが悪化することは基本的にありません。
インプラントは骨に固定されるため、自然に移動することはありません。ただし、噛み合わせが不適切な場合、他の天然歯に負担がかかり、結果的に歯並びに影響を与える可能性があります。定期的なメンテナンスにより、このようなリスクを最小限に抑えることができます。
Q. インプラントか矯正か、どちらか一方の治療で済む場合はありますか?
症例によっては、どちらか一方の治療で問題を解決できる場合があります。
たとえば、歯の欠損がなく歯並びのみが問題の場合は矯正治療のみで十分です。逆に、歯並びに大きな問題がなく、単に欠損歯を補いたい場合はインプラント治療のみで対応可能です。ただし、両方の問題を抱えている場合は、併用治療が最も効果的な選択肢となります。
まとめ:インプラントと歯並び矯正の最適な組み合わせで、自信の持てる笑顔と健康を
インプラント治療は直接的に歯並びを改善する治療法ではありませんが、歯並び矯正と組み合わせることで理想的な口元を実現できます。一般的には矯正治療を先に行い、その後インプラント治療を行う順序が推奨されます。
併用治療により機能性と審美性を高いレベルで両立できる一方で、治療期間の長期化や費用の増加といった注意点もあります。成功の鍵は、両分野の専門医が連携している信頼できる歯科医院を選ぶことです。
あなたの症状や希望に応じた最適な治療計画について、お気軽にご相談ください。
